母ちゃんが入院したときの病床名は、いつも肺炎だった。原因は高熱。病院に連れていくと救急センターの担当者が主治医になる。診察された結果、必ず2～3週間の入院を言い渡される。僕にとっては地獄の日々だ。

　僕は医者でもないし、医学のことも無知。しかし、母ちゃんが入院中に気づいたことは、肺炎は防ぐことができる。肺炎は肺に水が溜まり、それが原因で高熱になる。そして死に至る。

　最悪の結末を避けるために、僕は努力を続けた。母ちゃんは胃ろうだから、食事はエンシュア。普通の水分も摂取しなければならない。肺炎を患う要素が常にあるのだ。

　2004年2月6日以降、入院しなかった最大の理由。エンシュアと水分補給の2時間は頭を常に高くしていた。それしか考えられない。

　ICU室で最期の日を迎えるほど悲惨なことはない。病院から豊見城市上田の家への搬入は後悔が残る。僕と母ちゃんが暮らした浦添市港川の自宅マンションで見届けたい。

　そのことは、医療法人 仁愛会 つるかめ老人訪問看護ステーションの担当看護師に、何かにつけて話していた。母ちゃんはその話しをこっそり聞き、僕の願いに応えてくれたのだろうか。

　8月25日から今日で1カ月。ベッドと酸素濃縮器をのぞいて、母ちゃんが暮らした部屋は、あの日のまま。増えたのは2つのキャンドル立てだけ。心を穏やかにしたい。

　今回の記事は2005/09/25 04:42に作成した。

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