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2012年07月27日

アイ・ラブ・ユーを言い忘れない 削除した過去記事★59

 母ちゃんは70代から「養老院は行かない」が口癖だった。明治生まれの人たちは、現代の『介護老人福祉施設』や『介護療養型医療施設』なども『姥捨て山』の悲惨なイメージしかないのだ。

  そういう訳で、短期間のショートステイも世話になったことがない。集団感染の可能性が高くなる介護施設などよりも、安全で住み慣れた自分の家に勝る場所はないのだ。まさにパラダイスである。

  母ちゃんが三年前に豊見城市上田の家のトイレで転倒。生い先短いと感じた僕は、自宅で余命をおくってもらうことしか考えなかった。

  入退院を繰り返しているうちに、長兄と姉二人は自分のことしか考えない。妹は姉に従うだけだ。僕が家でみようと何度もお願いしても「今の時期は寒いとか何とか」と言い訳を繰り返すばかりだ。

  僕が住む浦添市港川の自宅マンションに引き取る前、上田の家には16日間しかいなかった。ベッドの中で息も絶え絶えに寝ている母ちゃんを、見るにつけ哀れな姿だった。

  僕自身の強い気持ちが叶い、自宅マンションに引き取ってからは、ピンクが似合う元気な母ちゃんへと変わっていった。

  朝起きたら母ちゃんにアイ・ラブ・ユー。おやすみなさいまでの間に、何十回もアイ・ラブ・ユー。日々の介護で疲れ果てていても「アイ・ラブ・ユー」を言い忘れなかった。僕はインフルエンザも引かず、健康そのものだったことも言うまでもない。

 今回の記事は2005/10/04 21:21に作成した。

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沖縄タイムスの連載『いつも母ちゃんにアイ・ラブ・ユー』を担当した
男性記者から削除依頼



Posted by 父の名は島袋光裕です at 11:08 │削除した過去記事