介護事業者の各担当者なら誰でも、母ちゃんの美肌は認める。顔はつやつやというかプリンプリンだった。

　若い頃の母ちゃんは白粉も口紅もつけたことがない。両親から「化粧をするのはジュリ（辻の遊女）」と悪いふうに言われたそうだ。

　戦後になって世の中も大きく変化。僕の記憶では70歳を過ぎた頃から化粧をはじめたようだ。

　はじめてと言っても、結婚式とかパーティーなどに出席するときだけ。それも粉を軽くたたき、口紅を薄く塗る。眉はときどき揃えていた。

　香水もコロンも嫌い。嗅覚も敏感だったので、つけた女が側から通ると鼻をつまむふりして笑わせてくれた。

　母ちゃんは菜食の粗食。肉類は全くというほど口にしなかった。ときどきの煮魚と刺身。それも2～3切れ。僕ら子供用には肉類の食事は作る。豚肉料理は大の得意。でも母ちゃんだけは食べなかった。

　化粧なしと菜食。これが美肌を保つ要因だったのかもしれない。老人特有のシミもありませんでした。粗食なのに腰も曲がらない。母ちゃんの美容と健康は、両親からの教えと温暖気候の恵だ。　

　今回の記事は2005/10/10 21:16に作成した。

【関連記事】
おしゃべり好きな二人　削除した過去記事★1
http://goo.gl/QOqnV
沖縄タイムスの連載『いつも母ちゃんにアイ・ラブ・ユー』を担当した
男性記者から削除依頼