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2012年05月09日

想い出の1行『心を音に変える才人』Shinichi Mori

 僕は基本的にフリーランス。レギュラー誌を何冊か抱え、あちこちの出版社を駆け回る時代もあった。各誌の編集長からは誌面に取り上げるアーティストと企画構成も任される。

 講談社から発行されていた音楽雑誌『ビッグミュージック 』でも森進一さんを取材。1983年6月22日発売の8月号にカラー見開きで記事を掲載した。オリジナルアルバム『紐育物語』のプロモーション記事でもある。

  カメラマンは橋本佑治。僕のクレジットは文・コンセプトと書かれている。本文の見出しには『心を音に変える才人』と付けたが、編集長が付けた目次には『心(演歌)を音(ポップス)に変える才人』とある。

 言い当てた1行のコピーライティングに現在でも感心。アーティスト名も漢字の森進一ではなく、横文字の『Shinichi Mori』にした。

 インタビュー記事から抜粋。僕は『独自の森進一演歌を築く一方で、吉田拓郎の『襟裳岬』やシャンソンのアドモの曲なども積極的に挑んだ』と書く。森は『歌手としても、人間としても、自分に誇りを持って生きてきたつもり」と答えている。

 8月5日(金)には中野のサンプラザホールでコンサート。取材から約3カ月が過ぎたが、森さんから僕へ招待状が届いた。

想い出の1行『心を音に変える才人』Shinichi Mori

 席は1階17列34番。ステージでは『紐育物語』『冬のリヴィエラ』『花と蝶』『港町ブルース』『さらば友よ』の新旧ヒット曲に酔いしれた。

想い出の1行『心を音に変える才人』Shinichi Mori 僕は1983年8月18日(木)から25日(木)まで、夏休みで帰省。

 森進一さんを中心に、スタッフと一緒に撮影した記念写真を母ちゃんに見せると満面笑顔。

 そして「何の仕事をするにしても心が大切。それだけは忘れないでね」と言われた。森さんファンの母ちゃんは2005年8月25日に永遠の旅立ち。

 同年NHK紅白歌合戦で森 進一さんは名曲『おふくろさん』で出場。イントロから僕は涙でかすんでしまい、テレビを正視することができなかった。



Posted by 父の名は島袋光裕です at 09:14 │講談社