サリバン先生とヒギンズ教授 削除した過去記事★27

父の名は島袋光裕です

2012年05月22日 19:12

 沖縄県では有名な介護療養型医療施設の、おもと会 大浜第二病院に入院していたとき、女性看護師の師長から「自宅介護は無理です」と断言された。

 母ちゃんは息も絶え絶え状態だったから、そんなふうに言ったのだろう。言い返しはしないが、心の中では「オイ!オイ!オ~イ!今に見ていろよ」と叫んでいた。

 自宅介護してから大変だったのは“昼夜逆転”だ。時には2日間を起きて、2日間は爆睡。ひどい時には3日サイクルもあった。

 僕は「母ちゃん、ネンネしましょうね」と機嫌をとるので必死。側につきっきりは、まるでヘレン・ケラーのサリバン先生みたいだった。

 爆睡に入った後半もずっと目が離せない。エンシュアの養分が固まり、口の中がバリバリになってしまう。寝ているから口腔ブラシも使えない。訪問看護師もギブアップである。

 爆睡から目覚めた母ちゃんの第一声は「ハンドー小」です。しばらくは側にいて一緒に歌う。まるでマイ・フェア・レディのヒギンズ教授みたいだった。

 男でもその気になれば自宅介護はできる。逃げるのは男の恥でもある。大浜第二病院の女性看護師長から強い口調で言われた1言で、僕の心の中に闘争心が芽生えたのは間違いない。

 今回の記事は2005/10/12 22:08に作成した。

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http://bit.ly/HcyB4T
沖縄タイムスの連載『いつも母ちゃんにアイ・ラブ・ユー』を担当した
男性記者から削除依頼

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