小学館から出版されていたアイドル雑誌『女学生の友』に『プチプチ』という別冊が付いていた。当時の僕のレギュラーである。

　1974年9月号は、アイビー大特集で『アイドルの9月 チェックでおめかししてみたの』を担当した。

　登場するのは桜田淳子、岡崎友紀、山口百恵、キャンディーズ。当時の人気急上昇ばかり。

　誌面での僕のクレジットはスタイリストだったが、服選びから、カメラマン手配、撮影のスタジオやロケ場所探し。そして、タレントのスケジュール取りまで兼任させられていた。

　アシスタントがいなかったから、撮影後の服の返却も自分。訳のわからないくらい忙しかったが、仕事を大いにエンジョイしていた。

　11月号の表紙は百恵ちゃん。着てもらったセーターとマフラーとキャップはミルク。コーデュロイのスカートと靴はハニーハウス。スタジオ撮影は佐々木キタローさん。明るく、おどけたポーズがいい感じ。

　百恵ちゃんは素顔にピンクの口紅を薄くつけているだけ。確かな記憶ではないけど、百恵ちゃんは化粧嫌い。撮影後は完全にふきとって帰った。

　スーパースター直前の百恵ちゃんは、超が三つ付くくらい大好き。プチプチや紙焼きをあらためて見ると、あの頃が鮮やかによみがえってくる。

　マンションに帰ると、毎日みたいに母ちゃんから「帰りが遅い！そんな仕事をして何が楽しいの？早く帰ってきて」と電話でガミガミ。

　僕は大学を卒業してからも、お正月、ゴールデンウィーク、お盆、それぞれに2週間前後は必ず帰っていたじゃん。いつまでたっても子離れしない母ちゃんだったな。

　今回の記事は2005/09/16/01:22に作成。当時の僕は呆然自失。永遠に旅立ったばかりの母ちゃんの想い出探しするために、いろいろなものを物色していた。

　ガミガミはしていたけれど、僕が好きなタレントは、母ちゃんも知らず知らず好きになっていたよね。

　沖縄タイムスの連載『いつも母ちゃんにアイ・ラブ・ユー』ではエンタメ関係の件は一切書いていません。

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